真言宗とは

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真言宗は、弘法大師(空海)によって立教開宗された日本の仏教の宗派の一つです。 空海が唐(中国)の長安に渡り、青龍寺の密教僧「恵果阿闍梨」から学んだ密教を、平安時代の初めに日本に伝えました。密教とは「仏様の秘密の教えを明らかにした教え」という意味です。 空海は帰国後、和歌山の高野山に金剛峯寺、続いて京都の教王護国寺(東寺)を開き、これらを根本道場として真言宗の発展に努めました。また、空海は経典の研究ばかりを行い、人々の救済を怠っていた奈良仏教を批判し、即身成仏思想を強調しました。

「十住心論」で示した人間の心や菩提心の展開をまとめた空海の思想は、日本仏教全体に深い影響を与えました。空海が遍歴したといわれる各地には弘法大師信仰が生まれ、弘法清水、大師の杖立柳などが残っています。四国八十八カ所の巡礼も、この大師信仰から生まれたものです。

空海の活動は、宗教活動だけでなく、社会活動や文芸活動、書など多岐にわたり、各方面に大きな影響を及ぼし、大きな足跡を残されました。
密教は、宇宙の本体であり絶対の真理である「大日如来」を根本の仏様とします。大日如来のみ教えは、叡智そのものであり、根源の光である大日如来は、太陽の光のようにあらゆる時代、場所にさまざまな姿で現われて、全ての生き物を救うために説法をしています。宇宙間のすべて花鳥風月草木に至るまで大日如来の説法なのです。

そして弘法大師は、本来成仏している自己の発見を「即身成仏」という言葉で表しました。密教以外の教えは「三劫成仏」(さんごうじょうぶつ)といい、無限に長い間の修行によらなければ成仏できないとしますが、弘法大師はこの身このまま「即身」に「成仏」が実現するとしました。なぜなら、私たちと大日如来は本来同じであるからです。
大日如来 御真言 「おん あびらうんけん ばざら だとばん」
大日如来 御宝号 「南無大師遍照金剛」



真言宗の仏さま

真言宗ではいろいろな仏さまをお祀りしますが、その中心は大日如来です。大日如来は真理そのものであり、その働きを具体的に、より効果的にするために、他の如来・菩薩・明王・天部・その他の神々を世に出されています。つまり、それぞれの神仏の信仰を推し進めていくと最後には大日如来へと帰っていくのです。
~阿字の子が 阿字のふるさとたちいでて またたちかえる 阿字のふるさと~
仏教にはたくさんの仏さまがおられますが、その中で私達にとても縁が深く、最もありがたい仏さまとしてあげられているのが十三仏です。この十三仏は、私達の救済だけではなく、亡くなった方の導き手として年忌法事の本尊様としてもお祀りされています。

十三仏と年忌本尊

初七日忌 不動明王 「のうまくさんまんだ ばざら だん せんだ まかろしゃだそわたや うんたらた かんまん」
二七日忌 釈迦如来 「のうまくさんまんだ ぼだなん ばく」
三七日忌 文殊菩薩 「おん あらはしゃのう」
四七日忌 普賢菩薩 「おん さんまや さとばん」
五七日忌 地蔵菩薩 「おん かかかび さんまえい そわか」
六七日忌 弥勒菩薩 「おん まいたれいや そわか」
七七日忌 薬師如来 「おん ころころ せんだり まとうぎ そわか」
百カ日忌 観世音菩薩 「おん あろりきゃ そわか」
一周忌 勢至菩薩 「おん さんざんさく そわか」
三回忌 阿弥陀如来 「おん あみりた ていせいからうん」
七回忌 阿閦如来 「おん あきしゅびや うん」
十三回忌 金剛界
大日如来
「おん あびらうんけん ばざらだとばん」
十七回忌 胎蔵界
大日如来
「おん あびらうんけん ばざらだとばん」
二十五回忌 愛染明王 「おん まからぎゃ ばそろ しゅにしゃ ばさら さとば じゃく うん ばん こく」
三十三回忌 虚空蔵菩薩 「のうぼう あきゃしゃきゃらばや おんありきゃ まりぼり そわか」


十二支の守り本尊

中国に仏教が入ってきたとき、中国で使われている十二支の干支と十三仏の関係を考え、十二支の守り本尊としたと言われています。

子年 千手観世音菩薩
丑年・寅年 虚空蔵菩薩
卯年 文殊菩薩
辰年・巳年 普賢菩薩
午年 勢至菩薩
未年・申年 大日如来
酉年 不動明王
戌年・亥年 阿弥陀如来